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データとコストの評価基準を変える、Single Source of Truthの3つの切り口

執筆者 Yael Altshul
SSOTがデータとコスト指標をどのように変えるか | AppsFlyer

マーケティングのパフォーマンスは計測結果で評価するのが大前提で、マーケターが正確な計測値を見極める力が成功の鍵を握ります。 計測結果が曖昧で不正確ではミスを招き、ミスが累積すると数千万円単位(ことによっては数十億万円単位の)コストを生みかねません。

意思決定の基準としていたデータの信頼性が失われたらどうなるか?

SKAdNetwork(英語)とその計測結果がもたらす影響については先日のブログ(英語)で説明しました。広告主は今や、1か所のソースからデータを取得するのではなく、複数のデータサイロから真実をつなぎ合わせる時代が到来しています。 ただし別のアトリビューションソースから同一のインストールデータが計測され、重複が生じる可能性があるため、キャンペーンのパフォーマンスを正確に計測するのはそれでも困難です。
広告主は今、このようなデータを見ています:

MMP vs SKAD table

上の例では、MMP(英語)とSKAdNetworkの2種類のアトリビューションデータを並べています。では、真実を語るのはどちらのデータストリームでしょうか? 非オーガニックインストールの実際値は10,500でしょうか? 7,800? 両者の合計値でしょうか?それとも中間値でしょうか?

SSOTはマーケティング計測唯一の選択肢

AppsFlyerは2021年末、ユーザーデータの重複を排除するソリューション、Single Source of Truth(SSOT)モードの提供を開始しました(英語版詳細はこちらでお読みいただけます)。AppsFlyerユーザーはConversion Studio設定からご利用いただけます。

SKAN conversion studio SSOT

そして、同一インストールが2度計測された場合に、ローデータと集計データの両方のレポートに反映されます。

SSOTのリリース時、当社ユーザーがデータ重複の問題を抱えていることは認識していましたが、アトリビューションデータとコストの評価基準でSSOTがどれほど大きな影響をもたらすかについては推測の域を脱してはいませんでした。実際に取得したデータを見て、私たちは落胆しました:

  • 主に非SRNキャンペーンを展開する広告主のSKANインストール中62%が重複
  • 主にSRNキャンペーンを展開する広告主のSKANインストール中18%が重複

重複を排除できれば複数のソースから取得したユーザー別iOSデータが1件ずつになり、広告主にとって最適な計測結果が得られます。

重複の排除はiOSデータにとって極めて重要ですが、メリットは他にもあります。

SSOTが御社データを変えるメカニズムを3つの切り口で検討すれば、すぐに応用できるインサイトを得る上で参考になります。

1. アトリビューションされていない非オーガニックインストールを回収

iOS 14以降のアトリビューションソースをすべて捕捉するため、100%のカバレッジや全体像の把握が実現します。

上述したように、同一のインストールが2度計測される可能性があるため、全ソースからアプリインストール数を集計する機能はオプションではありません。

SSOTモードを有効にすると、広告主は非アトリビューションインストールの実数を回収できるため、さらに多くのインストールをアドネットワークにアトリビュートできます。 その結果、広告主は正確な計測結果を以前と変わらぬ労力と予算で入手できます。

Attribution options of SKAdNetwork and other models

2. より正確なeCPI値をつかむ

iOS 14リリース後、キャンペーンごとの総コストがインストールデータの一部を基に算出されるため、eCPI、eCPA、ROAS(英語)(広告費回収率)など、コストを評価する重要な基準データの正確性が失われていました。

eCPIはキャンペーン総コストをインストール総数で割って算出します:

eCPI formula SSOT

議論を具体的にするため、ある広告主がiOSキャンペーンで200ドルの予算を組んだと想定しましょう。今度は、このキャンペーンでMMPのアトリビューションが100インストール、SKAdNetworkのアトリビューションが50インストールと想定します。

eCPIの計算式はこのようになります:

eCPI MMP vs eCPI SKAN SSOT

この例では、各アトリビューションのeCPIは予想をはるかに上回っています。

次に、非オーガニックインストール総数から重複を除外した実数を120とし、総コストを非オーガニックインストール数の実質的な値で割ったと想定しましょう。

Actual eCPI formula SSOT

上の例ではeCPIが大幅に低下しており、SSOTを採用した顧客データで見た結果と一致しています。 当社クライアントの中にはeCPIが30~70%低下したとの報告もあります。

3. オーガニックデータのベースラインを把握

オーガニックデータ(英語)は、キャンペーンの最適化に欠かせないベースラインです。オーガニックデータがなければ、御社のマーケティングキャンペーンのKファクター(英語)やインクリメンタルリフトが計測できません。

SSOTが誕生するまで、広告主は非アトリビューションインストールから生じる“ノイズ”のため、オーガニックデータの全容が把握できませんでした。

過去にアトリビューションされなかったインストールを計測すると、オーガニックデータから非アトリビューションデータの“不純物”が除去され、さらに正確なオーガニックトラフィックレポートが作成できます(当社クライアントで、オーガニックのトラフィックを75%削減させたケースもあります)。その結果、広告主は実績の高いキャンペーンが特定できるようになります。

重要ポイント

以上のシンプルで、かつ大きな意義のある実例からわかるのは、インストール数データの重複を排除すると、マーケターはマーケティングキャンペーンのパフォーマンスの全容を把握し、以下に挙げるアトリビューションの両方が実現するということです:

  • AppsFlyer計測:リターケティング、オウンドメディア、ウェブからアプリへのトラフィック誘導(SKANではサポートしていません)といった従来型のアトリビューションモデルをもとに、LTV(顧客生涯価値)を網羅的に計測します。
  • SKAdNetwork計測:決定論的データポイントを網羅的にカバーします。

iOS 14が固定概念を覆した結果、マーケターは統一的な現実を離れ、複数のデータサイロで構成される現実に移行しました。Single Source of Truthは、iOS 14以降の現実のただ中にあるマーケターが目標を達成できるよう、AppsFlyerがご提案する数々の手法のひとつです。

Yael Altshul

Yael Altshulは、AppsFlyerのプロダクト・マネージャーです。BI開発者、製品データアナリストとして、長年の経験を持つ。革新的で、優れたユーザーエクスペリエンスを持つ高品質の製品を作ることに喜びを感じています。
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